大棗という名前で漢方薬としても使われているなつめ。
韓国では料理、お茶、お菓子と日常生活の中でもよく使われている食材です。
韓国でも西洋の医学の概念はもちろん導入されていて普通の病院はもちろん、美容外科など目覚ましい発展を遂げているのも確かですが、今でも漢方薬の市場にはたくさんの人が訪れたり、町中にも「韓医院」と呼ばれる漢方と針を中心とした医療をしている病院も多く存在しています。
体調を崩すと漢方薬を煎じて作る「韓薬」を飲んでいる人も多くいる韓国です。
漢方という考えが日本よりもまだ残っている韓国で、漢方薬としても使われているなつめ。
毎日の生活に少し取り入れるだけで体の中からきれいになれるとしたらちょっと取り入れてみたいと思いませんか?
今回はスーパーで売られているものよりは少し手はかかるものの、たっぷりとまるまるナツメを楽しめるナツメ茶の作り方をご紹介します。
先日江華島(강화도/カンファド)に行って、すごく体によさそうで、しかもおいしいなつめ茶を飲んできてから自分でも作りたくなりました。
こんな方にお勧めです。
- なつめ茶が好き
- 少し手がかかっても韓国の濃厚ななつめ茶が飲んでみたい
- 体を温めてくれる効果があるお茶を探している
- 妊活の一つとして(韓国ではその目的で飲んでる人もいます。)
- 韓国の伝統茶のお店で飲んだ濃いなつめ茶が忘れられない
- 漢方っぽい味に惹かれる(漢方薬のお店で買う材料も入ります)
- ナツメだけの甘さでのおいしいナツメ茶が飲みたい
- 天草(カンゾウ)の持つ肝機能効果の改善というのが気になる
ナツメ茶ってどんなお茶なの?
韓国の伝統茶のお店でよくみられるなつめ茶は、透明な感じで甘く、乾燥したナツメが浮いているものが多いかもしれません。
今回、友達にちょうどもらったので飲んでみました。
ナッツのようなものも入っていて、甘酸っぱい感じの、すっきりした味のナツメ茶でした。
こういったお茶は韓国の一般的なスーパーでスティック状で販売されています。
韓国でご購入になりたい方はこちら→
日本でしたら私が見た時は送料を含め、こちらが最安値でした。
中にはこんな感じのスティックが入っています。
ほかにも乾燥ナツメだけをティーパックに入れたなつめ茶もあります。
これをオフィスでのティータイムなどに妊活に利用している会社員の方も見受けられます。
韓国ではこんな感じで販売されています。こちら→
韓国のほうは私が見た時で60g(50パック)で10380w。
日本のこちらは日本産ナツメ24g(8パック)でこのお値段です。
入っているものなど細かいことはわかりませんですし、ざっくりな想像でしかないのですが、韓国のほうがなつめを利用する人口が多いので、比較的安く製造などもできるのかもしれません。
といろいろご紹介しましたが、今回はこちらのタイプではなくナツメをまるっといただく濃厚で、スープのようなナツメ茶の作り方をご紹介します。
先日江華島(강화도/カンファド)に行って濃厚なつめ茶を飲んでから、家でもそのナツメ茶が飲みたくて、もう何回も乾燥ナツメを購入し作っています。
韓国でいわれている「なつめの効能」についてはレシピの後に挙げていきたいと思います。
効果絶大!ナツメを丸ごととれる韓国式濃厚ナツメ茶の作り方とレシピ
韓国式濃厚ナツメ茶の作り方とレシピ
☆レシピ☆
- 乾燥なつめ 約200g
- 水 800㏄
煎じる用 - ショウガ 一かけ
- シナモン 二かけ
- 天草(カンゾウ) 二かけ
- 水 400㏄
シナモンは粉のほうではなく、皮の状態のものを煎じます。
また、 天草(カンゾウ)を初めて聞かれる方もいらっしゃるかもしれません。
どんなものなのか?は材料のご紹介のところに写真付きであります。
作り方は下記のとおりですが、作り方の最後のほうに添付している動画を見るとさらにわかりやすいかと思います。
乾燥なつめを洗う時は水でゆすぎながら、丁寧に洗います。
ナツメが隠れるくらいのたっぷりの水で戻します。
ショウガをスライスしたもの、シナモン、天草(カンゾウ)と、ステップが前後してしまいますが、STEP3 でとりだすなつめの種の部分を20分ほど煮詰めます。
出てきた灰汁を(私は)とります。
STEP2の液を煮詰めている間、水でもどしたナツメの中にある種をとりだします。
種の周りをくるっと回るように包丁を入れて実と種をわけます。
(とはいっても私は包丁を入れて、おいはぎのように種から身の部分をむしり取りました。)
種をとりだした乾燥なつめの果実の部分と水(800㏄)をミキサー機に入れて細かくする
STEP4で作ったミキサー機にかけたなつめ液と、STEP2で煮詰めた液を鍋に入れて煮詰めます。
STEP2の液の中の種やシナモンなどの皮は入れないようにします。液だけとりだします。
ミックスしたものを20分ほど煮詰めたら完成!
作るときの参考になれば、の写真です。
このなつめ茶はこちらの動画を参考に作っています。
ほかにも濃厚なナツメ茶の作り方の動画はありますが、こちらが手軽でしかも簡単なほうだったので、私にはぴったりでした。
皮までまるっと濃厚ナツメ茶の味は?
いくら体にいいとはいえ、頻繁に飲めるものでなければ続かないですよね。
それには作り方も含め味も大事だと思います。
この濃厚ナツメ茶にはお砂糖などの甘さを加えるものはなにも入れていないのですが、
確実に甘いです。
ナツメの本来の甘さと天草(カンゾウ)から煮出した時にでる甘さがちょうどいいです。
正直、私はあんこなどの甘さよりケーキ、チョコレートといった感じの甘さがとても好きなタイプなのですが、ナツメ茶のこの健康的な甘さがすっかり気に入ってしまいました。
しかも、飲むと体がポカポカしてきます。
自分の体のためにいいことしている気がしてくるところもいいですね(笑)
濃厚なスープを飲んでいるようなナツメ茶になりますが、もし、細かい皮や果肉が気になるようでしたら飲まれるときに目の細かいざるでこして飲まれますといいと思います。
ただ、皮の部分にポリフェノール成分などが多く含まれているので、こしてしまうのはもったいないと私はそのまま飲んでしまいます( *´艸`)
濃厚ナツメ茶の材料はどこで手に入る?
今回ナツメ茶を作るのに
- ナツメ
- ショウガ
- シナモン
- 天草(カンゾウ)
を使いました。
それぞれ購入したところをご紹介します。
ナツメ(대추/テチュ)
ナツメはもし可能であればいろいろなところで購入してみるのをお勧めします。
私は家であの「濃厚なナツメ茶」が作れると知ったら、どうしても早く作ってみたくなりました。
なので、仕事帰りにちょっと心配ながらも一番最初は、「すぐに手に入る」という理由だけで、南大門市場にある乾物やあめなどを売っているところで乾燥ナツメを購入しました。
私が初めて購入したところはこんなところなんです。
吹きさらしの場所に屋根はビニールという若干過酷な商売のスタイル。
横殴りの雨が来たら、まず間違いなく商品濡れます(; ・`д・´)
もう何百回と前を通っていますが、お客さんがいるのを見たことがあまりありません。
正直
賞味期限とか、商品管理とか・・・
といろいろ思うところがないわけではないのですが、もう作ってみたい衝動が抑えきれませんので、ネット購入での1日も待てない状態だった私は、ここで購入してみました。
結果としては大正解でした。
その後、ご紹介した動画の先生が言うとおり、大きめの粒のナツメをネットでも購入してみたのですが、甘さは南大門で購入したもののほうがしっかりと感じられ、しかもネットで購入した別のお店のものは数か月でカビのようなものが生えてきたものもありました。
乾物なのにカビって・・・
白いものだったので、もしかしたら納豆とか味噌のもとになるようないいカビなのかしれませんが、私には得体が知れないので、あきらめました。
しかも南大門のあのお店の商品もしっかり消費期限などが書かれていました!
おばちゃん、偏見に満ちててごめん!!
しかも要 冷蔵・冷凍保管と書かれていますね。
えっと開けてからってことかな?
でもこれ真空でもないし、あいてる状態とそんなに変わらないような?
直接見て買えるのもありがたいですが、ネットでの購入はやっぱり便利ですのでこれからも色々試してみたいと思います。
ネットでは韓国産のナツメが多くみられました。
大きさによって等級が分かれ、それによってお値段も変わってきます。
日本の乾燥ナツメはいくらくらいなのかな、とみてみましたところ、ナツメに関しては全体的に韓国のほうが比較的気軽に購入できる価格帯と、あと品質なども選べる感じがしました。
こちらは韓国食品屋さんですが中国産ですね(笑)
私が購入した南大門では韓国産がこれくらいのお値段でした。
ショウガ(생강/センガン)
ショウガはスーパーで販売しているものを購入してきました。
今回は100g 398wのものを購入。
時期によって差があります。
シナモン(계피/ケピ)
こちらも近所のスーパーで購入。
こちらもネットで購入できますが、送料がかかりますので、というのは言い訳ですぐ作りたかったので、近所のスーパーで購入しました。
お値段は6000wくらい。(実際はもっと入っています)
だったのですが、ネットで有機農栽培をしているものが量も多くお安くありました。
今度はこちらを購入してみようと思います。
ネットで見るとベトナム産と中国産が多いです。
フェアトレード有機農栽培のシナモンをクーパンで検索→
天草(カンゾウ)・リコリス(감초/カムチョ)
こちらは近所のスーパーにはなかったのですが、市場に行ったらありました。
ちなみに天草(てんぐさ)ではなく天草(カンゾウ)です。
目安は、韓国の市場でしたら、漢方薬が売っていそうな乾燥した木とか葉っぱを売っているところに行き、
감초 있어요?
と聞いてみましょう。
先日行った光明市場にはありました。
約100gを3000wで購入しました。
日本では天草(カンゾウ)や外国名のリコリスの名で販売されいています。
ただ、こちらは近所ですぐに手に入るものではないので、動画でも
もし手に入らなかったら入れなくてもいいですよ。
といってましたので、なくても大丈夫です。
そして天草(カンゾウ) 、リコリスといわれても初めて聞かれた方も多いかもしれません。
下記に天草(カンゾウ)の効能もほかの材料と合わせて順に記載してみますね。
手に入りにくいから入れなくてもいいですよ、ということですが天草(カンゾウ) の効果をみたらちょっと何とかして手に入れたくなるかもしれません。
しかも煮出すと本当に甘いです。
甘さが砂糖などとは違うのでびっくりしますが、今回の濃厚ナツメ茶では後味の甘さを引き立ててくれます。
詳しく知りたいなつめ茶の効能や美容効果
今回ご紹介したナツメ茶にはナツメのほかにもショウガ、シナモン、カンゾウが入っていますので、以下のものが気になる方におすすめだと動画では伝えています。
- 冷え性
- 血をきれいにする(血管を健康にする)
- 免疫力アップ
ほかにも実は韓国では妊活としてもなつめ茶が飲まれています。
では具体的にどの材料が上記の効能に貢献しているのかみてきます。
ナツメの持つ効果・効能
1.不眠症の改善
ナツメには、GABA系の抑制機構を増強して睡眠・鎮静作用を促してくれる酒石酸という成分や、マグネシウムがセロトニンを生成を促してくれるため、神経の緊張をとき、睡眠を促す効果があります。
また、いつも緊張状態が続いていると、ここぞという時に力が発揮できなくなってしまうことも。
いつも神経をとがらせがちな会社員や受験生などには適度な緊張の開放を促すことで、ここぞという時の集中力をもてます。
2.老化防止
なつめに含まれているベータカロチンが抗酸化作用を起こし、老化をすすませる活性酸素を除去する役割を果たしてくれます。またテロメア成分が老化防止と認知症の予防に役立ちます。
活性酸素は必要なものでもあるのですが、細胞を傷つけたり細胞を酸化させ(錆びつかせ)病気の原因になることも。
過剰な活性酸素を除去してくれる成分がなつめの中にあります。
3.冷え性の改善
なつめは体を温めてくれる性質を持っている食物であるため、冷え性の方におすすめです。
特に冷え性をお持ちの方の多い女性は、慢性的に体温が低い場合も多く、婦人科系の病気にもつながりやすくなります。
体を温めることで、慢性疾患の予防にもつながります。
4.利尿効果
なつめにはカリウム成分が含まれているため体内のナトリウムを促進し、体内に不必要な水分や老廃物の排出を助けてくれるため、よくむくむ人にはお勧めです。
5.貧血改善
鉄分と葉酸が多く含まれているナツメ。
こちらでは漢方的な見方でも体を温め婦人病の予防をしてくれるという意味でも飲まれていますが、葉酸をサプリとしてではなく自然に食べ物からとれるという意味でもおすすめです。
しかも鉄分も豊富なため、妊活に最適なお茶として今回ご紹介した濃厚なお茶ではありませんが、職場でティーパックで飲まれている方もいらっしゃいます。
6.血液・血管の強化
なつめに含まれるサポニンが血液の流れをスムーズにし、血管も丈夫にしてくれるため 高血圧、動脈硬化のような血管疾患の予防にも効果が期待できます。
と、1日に3つナツメを食べれば老い知らず、ともわれているナツメ。
そんな、いいことばかりで気になる注意点はないのでしょうか?
ナツメの副作用は?カフェインはあるの?
ナツメにはカフェインがありません。
カフェインが苦手な人にってはありがたいですね。
また、ナツメはからだを温かくする食べ物に分類されます。そのため
もともと熱が多い人
には向かない食べ物です。
熱が多い人、という表現日本で使いますか?
ごめんなさい。ちょっと思い出せないのですが、こちらではこういう体質の話をするときに、熱が高い、ではなく熱が多いという表現を使います。
新陳代謝が活発でエナジーにあふれているため、基本的に体温が高い方を言います。
韓国ですと高麗人参も体にいいといわれていますが、体を温める効果のあるものですので、熱が多い人にはあまり向かないとも言われています。
また、一般的にはなつめの種は食べても特に問題はないですが、妊娠中の方は子宮を緊張させる場合があるので、妊娠中の方はお勧めしません。
今回のお茶でも心配な方はに煎じるときに種を入れないようにしてください。
また、のどの風邪など気管支系にもいいとされていますが、体質によっては痰がでやすくなる方もいらっしゃいますので、そういった方にはお勧めできません。
ショウガの持つ効果・効能
ショウガに関しては日本でもよく食べられているものですので、効果をご存じなな方も多いかと思います。
簡単にご紹介しますね。
冷え性改善
ショウガの中に含まれるジンゲロールやショウガオールといった成分が体を温める役割をはたします。
もともと紅茶は体を温めてくれるお茶ですが、ジンジャーティとして紅茶を飲むときにショウガを入れると、普通に紅茶を飲むよりもさらに体を温めてくれます。
殺菌作用
ショウガの中に含まれるジンゲロンという成分には強い殺菌作用があり、食中毒の予防に効果的です。
また、ジンゲロンはジンゲロールが過熱されると分解され多くなりますので、体の奥から温めてくれる効果を持っているジンゲロンですが、ジンゲロールの持つ血流をよくしたり、内臓の機能の活性化や消炎効果を期待するときには、使い方を分けるなど工夫されるといいかもしれません。
知っておきたい!ショウガを新鮮に保つ方法
基本的に料理で使う時には
チューブのショウガで
ということが多かった私。
韓国にはないので日本に行くたびに購入してきていて、生のショウガを購入することがなかったこともあり知らなかったのですが、今回購入するようになったので調べてみました。
瓶にショウガが隠れるくらいたっぷりの水を入れて、その中に生のショウガをいれて、2,3日ごとに水を交換する
と1か月ほどはショウガが新鮮な状態で保存できるそうです。
今度私もやってみたいと思います。
シナモン の持つ効果・効能
古来よりスパイスとして親しまれ、ミイラを作るときにも入れられていた(!)シナモンには消化を助けたり、むくみを予防する効果があるといったことも言われています。
また、今回の動画の中で、血糖を抑え、コレステロールを減らしてくれる効果があるとおっしゃっています。
しかしそれ以外にも最近の研究結果で、毛細血管の再生にも効果が期待できることがわかりました。
年齢とともに現れる毛細血管の衰えによって、末端の細胞まで栄養が行き届かなくなりがちになり、それぞれの機能が失われ始めます。
それは病気の原因にもなっていくのですが、シナモンには血管の内皮細胞に働きかける成分があり、血管を改善してくれる効果が見られたということです。
確かに毛細血管が故障してしまえば、末端細胞まで必要成分が届かなくなってしまいます。
「はたらく細胞」をアニメで見てしまった身としては、何とか酸素も体中にお届けしたいです。
天草(カンゾウ)の持つ効果・効能
東洋ではもちろん、西洋でも利用されてきた天草(カンゾウ) 。 西洋ではリコリスと呼ばれて多く利用されてきました。
一般的に言われているのは 天草(カンゾウ) には解毒効果があり、慢性肝炎など体の中に入ってきた毒の処理を助けるため、肝臓の機能改善にも役立ちます。
また動画のほうでは、漢方的な表現かもしれませんが体の中のあがってきてた気をしずめ下におろし、心臓の熱を消してくれる効果があるといっています。
簡単に言うと心を落ち着かせてくれます
また、ナツメと 天草(カンゾウ)のセットは、昔ストレスの多かった韓国の昔の王様への処方としても使われていたそうです。
中国の漢方書に書かれている処方の多くにこの 天草(カンゾウ) が使われていたという点から見ても、いかに重要な薬草とみられていたか、というのがわかります。
ほかにも抗アレルギー効果があるため炎症を抑え、かゆみを取り除いてくれます。
まとめ
女性のカラダにいいとされるナツメをおいしくいただける「濃厚なつめ茶」とその材料の持つ効果についてご紹介しました。
濃厚なナツメ茶いかがでしたか?
薬ではないので、飲んですぐ変化が訪れるようなものではないですが、続けることで体が温まり免疫力が上がり病気知らずな体になれたらうれしいですね!
私たちのカラダを作っているのは、私たちが食べているものですからね。
風邪をひきやすい方には是非お試しいただきたいです。
コメント