南大門でアクセサリーの仕入れって出来るの?
できるよ。でもこれは個人的な意見だけど斜陽業界な気がするよね
と感じることは多々あるものの、コロナが終わった今日本のアクセサリーのバイヤーさんも少し戻ってきている気がします。
こちらの記事では20年以上東大門市場・南大門市場に通っている私が、南大門にあるアクセサリー関係の卸市場が入っている建物についてご紹介します。
全部ではありませんが、こんな感じのアクセサリーが仕入れたいですってお伝えいただくと、その雰囲気のお店に案内できます
この記事の最初のほうでここ20年で感じる南大門の雰囲気の流れなどをご紹介しています。
建物別の販売商品が気になる方は目次から飛んで行ってみてください。
こちらの記事はこんな方におすすめです。
- 南大門で仕入れをしたいと思っている方
- アクセサリーの仕入れがしたい方
- 市場の最近の動向が知りたい方
- 子供向けのお土産を大量に買いたい方
- 仕入れの交渉どうしたらいい?が知りたい方
南大門でアクセサリーの仕入れ!昔はとってもアドバンテージがありました
20年以上前はアクセサリーの卸でかなり稼いでいる人が多くいました。
最近は You tubeなどでたくさんの情報が発信されていますので、南大門市場にアクセサリーや子供服の卸市場があることをご存じの方もいらっしゃると思います。
昔は本当にたくさんのバイヤーさんがいらしていて、韓国で商品を仕入れている方が会社経営の方から個人の方までたくさんいらっしゃいました。
20年前は
・韓国の物価と人件費が安かった
・中国製の質がまだまだ韓国製には及ばなかった
・中国に行くよりは韓国のほうが近い
・韓国のほうがロットが少ない
・中国よりは不良品の交換などが可能
・これ不良だよね、といったときに不良品だと思ってもらえる確率が韓国のほうが高い
といった理由から韓国でアクセサリーの仕入れをされている会社が多くありました。
コロナ前、まだまだバイヤーさんがたくさんいらしているころは若いバイヤーさんも見受けましたが、比較的ご年配の男性のバイヤーさんがアクセサリーの市場に来て、仕入れている光景もよく見ました。
もう何十年も市場に通っていて、多分私が通うよりもずっと前から南大門で仕入れをしている方だと思います
取引先を見てもお店には私より「少し年上な方」と「最近始めた若い方」がお店で働いていて、ご年配の方がされているお店の方と話をしていると
ほら、あそこの角のお店あるでしょ。あそこは昔相当儲けて○○の土地を買ったんだ
なんていう話がきけたりして、当時かなり儲かったんだということがうかがえます。
徐々に失速し始める市場
私が通い始めたころはまだ物価も日本の半分、といった印象に加え人件費も安かったので、韓国製の商品に競争力がありました。ところが年を追うごとに韓国の物価も人件費も上がるように。
そのため作業の一部を中国に発注するお店が増えてきました。でも、当時の中国製のアクセサリーの品質はもちろんいいものもありましたが、正直言って日本では販売が厳しいものばかりです。
そんな技術的に不安なところに仕事を依頼して大丈夫なの?と思いますが、中国には韓国人が常駐していて、品質のチェックや連絡などが密にでき、韓国での技術を持っていくので中間までは中国で作って、最後のメッキとか細かい作業を韓国で、というお店が増えてきました。
おかげで安く作れるものの、中国のアクセサリー作成技術が上がってきてしまいました。しかも日本のバイヤーさんが韓国でサンプルを買って、中国で同じものを作らせる、という方もときどきいたりして、一時期サンプルの購入を嫌がる店も出てきました。
しかも日本ではハンドメイドブームも起き、売り上げは失速。徐々にお店をたたむ店が増えてきました。
とっても仲良くしてもらっていたお店が次々とお店をたたんでいくときは切なかったです
コロナで閉店が急増
南大門のアクセサリー市場には世界中からアクセサリーの仕入れに来ていて、こないだメキシコから来たバイヤーさんが〇〇〇万円分買ってったんだ~なんていう話を聞いていたのがついこないだのことだったのですが、コロナでそのお店もお店をたたみました。
一時期歯抜けのようになった市場に行くたび、色々考えさせられたものです。
コロナが終わって店の数は多少増えたものの、以前のような勢いは見られません。
南大門の現状
コロナが終わった今、観光客はだいぶ戻ってきた印象です。
韓流の影響もあり、以前よりもいろいろな国から観光客が来ていると感じます。
ただ、バイヤーさんは以前のようには戻ってきていません。それでもコロナのころに比べたらよくなったよ、という話も聞きますし、抜けていた店舗も徐々に埋まってきています。
でもこの間、日本のハンドメイド熱はさらに上がってきているということですので、韓国で仕入れをする会社も減ってきていると思います。
そんなわけで決して明るい展望がみられない南大門のアクセサリー市場ですが、それでも南大門で仕入れがしたい、という方のために細かくエリア別に分けでお店の位置などをご紹介したいと思います!
韓国でアクセサリーを仕入れるなら!建物別の販売商品をチェック!!
南大門の全体を地図で確認します。
南大門は地下鉄4号線会賢(フェフョン/)駅が最寄り駅です。
新世界デパート側に行くには7番出口が最寄出口です。
南大門市場は5番出口から出るとすぐに市場のメインストリートに出ます。
アクセサリーの卸をしているところはこちら!
アクセサリーの完成品やアクセサリーのパーツを販売している卸のビルをチェックしました。
ビルによっては数百店の小さなお店がビルの中でひしめき合っています。
こちらでご紹介したところは卸市場になるため小売りはしません。
①レンタン・Eワールド
②トリリオン・ナムジョンアクセサリー商店街
③ユソンアクセサリー
④ヨンチャンアクセサリー
⑤ヨンセアクセサリー
⑥マノアクセサリー
⑦サモウジュ卸商店街
⑧ヨンセ副資材商店街
⑨ニューソウルアクセサリー副資材商店街
⑩カウティンアクセサリー副資材商店街
⑪ココ商店街
①レンタン・Eワールド
日本にバイヤーさんが最もよく利用している完成品のアクセサリーが販売されているビルです。1・2Fがアクセサリーの卸市場になり、店舗数は数百店がひしめき合っています。
こちらはピアス・イヤリング・ネックレス・ブレスレッドが多く販売されています。日本の大手ショッピングモールで販売されている商品がここで販売されています。
3Fは花の卸市場で生花と造花を販売しています。生花のほうの一例をあげるとバラ一束10本入りで50000w~8000wとかなり安く買えます。
造花も若干安っぽいものからとてもよくできたものまで種類も多く販売しています。こちらでは花器も素敵なものが多いです。インテリアとしてお探しの方は素敵な花器が見つかるかも。
生花・造花ともに種類は高速ターミナル駅にある市場のほうが豊富です。
②トリリオン・ナムジョンアクセサリー商店街
こちらではピアス・イヤリング・ブレスレットもありますが、2Fではヘアアクセサリーのお店があります。4Fより上の階では副資材が販売されていて、天然石やパーツも多くみられます。
売り場一部のエリアでは本当に細かい作業で作られるハンドメイドの商品を販売しているエリアがあります。お値段は少し高めですが、とてもかわいいものがたくさん販売されています。
大きさにもよりますが数が多ければオリジナルパーツの作成も可能なショップもあります。
③ユソンアクセサリー
ヘアアクセサリーがメインの建物です。ほかにも小物やコサージュの販売もあります。
④ヨンチャンアクセサリー
ヘアアクセサリーが多いですが、主に子供用のアクセサリーを販売しています。子供用のヘアピンやカチューシャ、子供が喜びそうな小物などがメインです。
⑤ヨンセアクセサリー
ヘアアクセサリーが多いですが、主に子供用のアクセサリーを販売しています。子供用のヘアピンやカチューシャ、子供が喜びそうな小物などがメインです。
よく探すと大人向けのお店で、あ、これネットで販売してるの見たことある!というお店に出会えます。
⑥マノアクセサリー
ヘアアクセサリーが多いですが、稼働していないお店も多い印象です。
⑦サモウジュ卸商店街
以前は向かいにもう一つアクセサリーの卸市場の建物があったのですが、子供用品の建物になってしまい、現在ではサモウジュのみとなりました。
以前あったお店が飛ばされたり、サモウジュの地下に入ったり、2Fがシルバー専門店街になったりと改変が続いていて穏やかでない人も多そうです。
3・4Fは副資材やシルバー・天然石の店がありました。
⑧ヨンセ副資材商店街
2階建ての建物で、副資材のお店が入っています。リボンやチャーム、チェーンなどアクセサリーを作る際に必要なパーツが販売されています。
⑨ニューソウルアクセサリー副資材商店街
2階建ての建物で、副資材のお店が入っています。リボンやチャーム、チェーンなどアクセサリーを作り際に必要なパーツが販売されています。
⑩カウディンアクセサリー副資材商店街
2階建ての建物で、副資材のお店が入っています。リボンやチャーム、チェーンなどアクセサリーを作る際に必要なパーツが販売されています。
⑪ココ商店街
ヘアアクセサリーやピアス・イヤリング、中国から輸入された小物など様々なジャンルの商品が販売されています。
アクセサリー卸市場まとめ
以上が南大門でアクセサリーの卸をしている建物になります。
時々韓国人も小売りの店と勘違いをして買い物をしようとしている方がいますが、かなりの確率で断られています。
サイトによってはがんばれば買えます!みたいなことも書いてあると聞いたことがありますが、お店の人から見れば全然いい印象ではない、という点はお伝えしたいです。
南大門には道沿いに小売りの安いお店もいくつかありますし、東大門にはnyu・nyuのようなとても大きな小売りのお店もありますので、どちらかというとそちらをおすすめします。
また、建物の中ではライブコマースという形で中国の方が放送しながら販売をしている姿(!)に出会えますが、アクセサリーの卸市場は基本撮影禁止です。
取引先のお店でお店の人に了承を得て写真を撮る分には問題ないですが、中で動画を撮るなどはアクセサリーのデザイン盗用防止のためできませんので、その点ご注意下さい。
南大門でアクセサリーの仕入れ、一人で行っても大丈夫?
韓国語はわからないんだけど、一人で行っても商品って購入できるものなのかな?
購入できますよ!
南大門のアクセサリー卸市場には世界中からアクセサリーの購入に来ています。
多いのは日本人、中国人ですが、欧米の人やイスラム圏の方が来ているのを見たこともあります。
なのでお店の人は外国人の対応には慣れています。お店の方にとって重要なのは
この人は商品を買うか、買わないか
が一番重要なので、片言の英語でも仕入れは可能です。
ただ、1個ずつは購入できませんので数種類を複数購入する必要があります。
商品はいくつずつ購入できるの?
いくつずつ購入できるかはお店によって異なります。
多いのは1種類5個ずつ、色違いで購入する。もしくはほかのデザインで気に入ったものを数種類5個ずつ購入する、などのお店が多いです。
お店によっては1つのデザイン2,3個ずつからでもOKのところもありますし、10個以上でないとだめ、というお店もあります。おみせによって対応が異なりますので気に入ったものが見つかったらお店の方に聞いてみましょう。
こんな人は自分都合で買いやすいかも!
雇われ店員さんが仕事をしているときもありますが、個人でひっそりとやっている感じのお店はその人が店長でその人の裁量で対応してくれることがあります。
なので、基本は1種類5個以上!数種類の購入が必要!
とはいいつつも、まぁ(もっと少なくても)いいよ、といってくれることも。経験的に言うとコミュニケーションがよくとれた店長さんとはそんな風になることが多いです。
また、外国人には甘い店長さんもいます。値段を聞くだけではなく、片言でも相手を楽しませることができる人は瞬間相手がゆるんで、まあいいよ、となったりもします。
たくさん買ったお店の近くのお店の人はちょっとでも買わせてくれることも
これはお店の店長さんがおばちゃんだった場合のみに使えるのですが、1つのお店で商品を選んでそれなりにたくさん購入すると、近くのお店のおばちゃんが「うちでも(商品)見てけ!」って感じでおすすめしてきます。
えー―、しょうがないなって感じで見に行ったときなんかはちょっとだけでも購入できたりもします。
この人はバイヤーさんなんだって思ってもらうこと、重要です
通訳の方と一緒に行くのもおすすめ
通訳の方と行くと正直費用は掛かりますので、最初はひとりや仲間といって市場がどんな様子か見て、何回か購入してみるのがいいと思います。
何回か購入して定期的に購入したい!
色違いとか材質とかが知りたい!
となってきたら、その時は通訳さんと一緒に行ってみると世界が広がるのが感じられると思います。
私は韓国語がちょっと話せるから買い物には困らないし
という方もいらっしゃると思います。
ただの買い物だけでしたらもちろんそれで困らないと思いますが、専門で通訳をしている方(エージェント)といくと、その方が持っているコネや、知識がそのまま仕入れに反映されます。
韓国も人脈重要です。
顔見知りが連れてきた客であれば数や値段など、交渉の余地が生まれます。中には韓国語がわからないだろうと、吹っ掛けてくるような悪い人も昔はいましたので、注意する必要はありますが、信頼できる方に依頼をしてその方と一緒に市場をまわると
色違いはあるのか
違う型はあるのか
ここの色の変更はできるのか
納期はいつ頃になるのか
など聞いているうちにほかのお店があるからそちらに行ってみようとか、それならここでできますよ、といった自分では考えもつかないような新しい情報が得られることもあります。
ある程度本気で仕入れを、と思ったら知識と時間を買うと思ってただの通訳ではなく、専門の通訳に依頼してみることをおすすめします。
アクセサリー買い付けまとめ
買い付けにしてもなんにしても、企業間というよりは個人間の取引という印象なのがここ南大門のアクセサリー市場。
最初は不良品の感覚が全く違ってすり合わせるのが大変でした
日本人の私の感覚からすると、
これはどう見ても不良だろ
というようなものを、これくらいいいじゃん、といわれることも1度や2度ではありませんでした。最初は感覚の違いにびっくりして何にも言えませんでしたが、これがデフォルトなんだと思ったら
これくらいいいんだったらそこにかかってるそっちの商品(不良品に見えないもの)にかえて。うちだと使えないから
といえるような度胸もつきました。
今では不良品と言ったら大体感覚が合うのでそんな苦労もなくなりましたが、不良品をうまく伝える努力も学びました。
人との関係によってできないことができるようになったり、またできることができなくなったりもするのはここの市場も同じです。
これからますます盛り上がるような業種ではないので、積極的にガンガン攻める人が多いとは思いませんが、だからこそその辺をうまく利用できる方でしたらいい商品を手に入れるチャンスでもあると思います。
この記事が南大門での仕入れのお役に立てていたら幸いです。
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